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篠田崇
東京工業大学にて人力飛行機サークルに所属し自身の設計した機体が鳥人間コンテストで3位入賞。東京工業大学院に進学しCFRP構造の最適化の研究に取り組みました。卒業後は三菱重工業へ入社し、当時開発中であったBoeing 787のCFRP主翼の強度解析に携わりました。また同機種の初品生産試験も経験。
その後、空飛ぶバイクの開発などを手がけるスタートアップへ移り、飛行シミュレータや制御ロジックの開発を手がけました。
「あらゆる機械の自動化」のVisionの共感し2021年7月よりDeepXにJoin。
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学生時代に研究室で最適化に取り組んでいた当時は遺伝的アルゴリズムがもてはやされている時期でした。Deep learningの元となるneural networkの存在もその頃知りました。人間の脳を計算機で模擬しようという取り組みは工学のような確定論的なアプローチとは異質で遥か未来の技術と思っていました。そのneural networkはDeep leaningとして後に大きな進化を遂げるとはその時は想像していませんでした。
大学院を卒業後、空を飛ぶものに憧れ当時最先端のカーボン素材を採用した航空機の設計の仕事につきました。FEMやCFDのような高度な解析ばかりかと思っていましたが安全性の保証は地道な検証の積み重ねでした。Analysis supported by testという文化であらゆることは試験で証明しなければならない。FEMの解析などもそれが正しいことを試験で検証して初めて設計に使えるようになるのです。ここまで徹底して検証しているなら安心ですね。
現場で部品の初品製造試験に応援で携わる機会がありました。同じ工程で同じ部品を作るのに次から次へと新しい問題が発生してそれの対応に追われる日々でした。素材の微妙な変化や機械の摩耗など日々の変化があっても、出来上がる製品の品質は常に一定でなければならない。やってみて初めてその難しさに気が付かされました。設計とは全く違う種類の難しさがありました。
複雑に見えるものが実は簡単だったり、簡単に見えるものが実はとても複雑だったりします。私はよく「ロケットなんと水素と酸素を混ぜて燃やすだけ」という例を出しますが、人間は自分で経験してみないと物事を本質的に理解できないのではないかと思います。現場の作業は人間にとっては簡単に見えても、機械にとってはそれほど簡単でないことが多いです。特に、今の機械では環境変化があり自身で判断をしなければいけないような場面に対応する事は容易ではありません。
直近まではドローンの制御のアルゴリズムの構築をしていました。ドローンとロボットまるで別物のようですが「認識・行動計画・制御」を繰り返すものという意味では同じロボティクスという分野になるようです。そのロボティクスはその周辺技術が大幅に進化を続けています。設計から現場までの広い製造分野での経験とロボティクスの知識を活かし、どこまで人の能力に迫れるか挑戦して行きたいです。
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- 機械を自動化するための制御技術
- 自動化の開発環境としての物理シミュレーション
- 機械の知能化に重要な周辺環境認識
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- 人の手作業による機械の動きの凌駕